皮下良性腫瘍
Benign Tumor
皮下良性腫瘍について
皮膚の下にできるしこりを総称して、「皮下腫瘍(皮下腫瘤ともいいます)」といいます。
大きくわけると「良性のもの(良性腫瘍)」と「悪性のもの(悪性腫瘍)」に分類されます。
当院ではおもに良性腫瘍について治療を行っております。
体の表面から触れる皮下良性腫瘍の代表的なものは以下のようなものがあります。
皮下良性腫瘍の分類
皮下良性腫瘍の分類について説明します。
粉瘤
皮脂腺(皮膚表面の脂分を作り出すところ)の出口が、角質(アカ)などで詰まって袋状に膨らんだものです。内容物は悪臭のある粥状になった皮膚の角質で、そのまま放置しておくと徐々に大きくなったり、細菌感染を併発すると炎症を起こします。炎症を起こし化膿すると、痛みや腫れを伴うので局所麻酔下で切開し、排膿(膿みを出す)のみ行うこともあります。
脂肪腫
皮下の良性腫瘍の中で最も多くみられる腫瘍です。皮膚が盛り上がって柔らかいしこりとして触れます。小さいうちは症状はありませんが、大きくなると違和感を生じたり、場所によっては日常生活に支障が出ることがあります。
石灰化上皮腫
皮膚の一部が「石灰」のように硬くなる良性の腫瘍です。原因は分かっていませんが、毛根に存在する毛母細胞から発生とする腫瘍です。比較的若い人、特に小児の顔(まぶた)、腕や頸などに発生することが多いようです。
検査と治療について
検査について
多くの場合、診察(視診、触診など)や超音波検査で診断可能です。
治療について
基本的な治療は腫瘍のみを摘出する手術になります。多くの場合、局所麻酔で手術が可能です。
当院では、すべての症例を日本外科学会専門医が担当していますが、腫瘍の場所(大切な神経や血管の近くにできた腫瘍、キズ痕が残り整容的に問題が生じる可能性がある腫瘍)によっては、整形外科や形成外科などの専門医に紹介する場合があります。
病理検査について
摘出した腫瘍は、顕微鏡による検査(病理検査)を行い確定診断をします。