執行クリニック執行クリニック

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そけいヘルニア手術実績
1998年7月から現在11,592

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腹壁瘢痕ヘルニアとは

Ventral Hernia

腹壁瘢痕ヘルニアについて

腹壁瘢痕ヘルニアは腹部の手術の合併症のひとつです。
おなかの手術の傷跡(瘢痕)は、傷がない部分と比べると弱く、この部分から内臓が皮膚の下に脱出する病気です。おなかの表面がふくらんで見えることが多く、力を入れるとふくらみが大きくなります。腹壁瘢痕ヘルニアは自然に治ることはありません。日本では年間に1万人弱の方が腹壁瘢痕ヘルニアの手術を受けています。
当院では、最適な手術方法を複数の医師の診断により行っております。体に負担の少ない腹腔鏡手術も積極的に取組んでおります。

腹壁瘢痕ヘルニアとは?

腹壁瘢痕ヘルニアとは、開腹手術や外傷後の傷跡(瘢痕)が大きく膨らむ状態のことをいいます。

膨らみは、立った時、咳・くしゃみ、排便時などの腹圧がかかった時に大きくなることが多いです。腹部の手術の合併症のひとつで、術後10年間で約1割の方に起こるといわれています。

開腹手術では、お腹を閉じる時に、皮膚、皮下組織、筋膜、腹膜を縫い合わせます。しかし、手術後に傷の感染を起したり、術前の栄養状態があまり良くなかったり、もともと筋膜などが薄い人は、筋膜の癒合が悪くなり隙間(医学用語でヘルニア門と呼びます)が生じます。その隙間から内臓脂肪や腸管が出入りする状態が腹壁瘢痕ヘルニアです。

腹壁瘢痕ヘルニアは自然に治ることはありません。

膨らみは立った時など腹圧がかかった時に大きくなることが多く、仰向けに横になると平に戻ります。また前述のヘルニア門の大きさや、出入りするものによっても症状は変わります。無症状のこともありますが、一般にヘルニア門が小さい場合や、腸管が出入りする場合は痛みや食後腹部膨満感などの症状があります。

腹壁瘢痕ヘルニアの診断は?


立った状態と仰向けに横になった状態で診察します。超音波検査(エコー検査)とCT検査を行い、ヘルニア門の大きさや出入りする臓器を診断します。

超音波エコーでの検査

腹壁瘢痕ヘルニアの治療

治療は手術によってヘルニア門を塞ぎます。以前はヘルニア門を糸で縫い合わせて閉鎖する方法でしたが、腹圧がかかってまた同じ部分に隙間ができる、つまり再発してしまう場合が多数ありました。現在は人工補強材(メッシュ)を使用して、ヘルニア門全体を広く覆いヘルニア門を閉鎖する方法が主流となりました。この方法はヘルニア門を縫い合わせる方法と比較して再発が少ないとされています。

当院では、日本外科学会・指導医が既往歴、画像情報、患者さまの病態等から最適な手術方法を選択しております。腹腔鏡手術でお腹の内側からヘルニア門全体に人工補強材を覆う手術(腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術)も行っています。

全身麻酔で約1時間の手術で入院は1~3泊となります。

当院で行っている手術は?

麻酔は全身麻酔で行われます

当院で行っている腹壁瘢痕ヘルニアに対する手術について説明します。

 

麻酔について

手術は全身麻酔により、患者様を痛みやストレスから守ります。
全身麻酔は、手術中の記憶はなく、手術の途中で麻酔が醒めることはありません。

 

手術方法について

*患者様の病状により手術手順や方法が異なる場合があります

  • 腹腔鏡の挿入
    最初に腹腔内を観察するカメラ(腹腔鏡)を挿入します。ヘルニアの発生部位や大きさ、癒着の有無・程度などを確認します。
  • 弱くなった部分(ヘルニア門)の皮膚切開
    ヘルニア門の大きさに合わせて皮膚切開を行います。
    皮膚切開の長さの目安は、ヘルニア門の大きさ(直径)プラス4~5cmです。
  • 人工物(メッシュ)の留置
    腹腔内からの観察した様子などから、最適な部位にメッシュを留置します。
    メッシュは、ヘルニア門の大きさ・部位により、数種類の中から選んで使用します。
  • ドレーンの留置
    術後にリンパ液や血液を体外に排出する目的で、5mmくらいの太さの管を入れる場合があります。

腹壁瘢痕ヘルニアの主な合併症は?

 

皮下出血

術後の皮下の出血により、キズの周囲の皮膚が紫色に変色することがあります。血液をサラサラにするお薬を内服している患者様に多い合併症です。

 

皮下血腫

術後に、キズの内側に血液が溜り腫れてくる状態です。痛みを伴い、症状が強い場合は、切開して血腫(血のかたまり)を取り除きます。血液をサラサラにするお薬を内服している患者様に多い合併症です。

 

漿液貯留(漿液腫)

手術の剥離操作により、キズの周囲にリンパ液が溜まり浮腫んで膨らむ状態です。通常、痛みはありません。膨らみが大きな場合は注射針を刺して溜まったリンパ液を抜く必要があります。これを予防するために、5mmくらいの太さの管をキズの内部に入れる場合があります。

 

創部違和感・硬結

メッシュが身体に馴染む間での期間(術後2〜6ヶ月間)、キズに違和感を感じることがありますが徐々に軽快します。また、キズが固くなることがありますが、キズが治る過程で心配ありません。

 

感染(創部感染・メッシュ感染)

手術創部(キズ)の感染は、軽症であれば内服薬・外用薬で軽快します。メッシュ感染を起した場合は、再手術等が必要となる場合があります。

 

臓器損傷

癒着が強い場合、術中に腸管や血管を傷つけてしまう場合があります。

腹壁瘢痕ヘルニアの入院期間

 

1〜2泊の入院

術後経過が順調な場合、術後1〜2泊の入院で退院が可能となります。キズの内部に溜まったリンパ液や血液を体外に排出する目的で、5mmくらいの太さの管(ドレーン)を入れたまま退院して頂く場合があります。退院後、日常の動きに制限はありませんが、気分不快や創部の痛みが生じたときは休憩を取るようにしてください。

腹壁瘢痕ヘルニア手術Q&A

Q自宅で創部(キズ)の処置は必要ですか?

Aご自宅での創部の処置は必要ありません。退院前に防水保護テープに張り替えます。

Q就労について?

Aデスクワークでしたら退院翌日から可能です。労働や長時間の運転業務等については、術後1週間目の診察後より可能です。

Q術後の運動は?

A運動は術後2週間お待ち頂きます。

Qシャワー・入浴について?

A退院前に防水保護テープに張り替えますのでシャワーは可能です。浴槽にお入りになるのはお控えください。

Qその他日常生活の注意点は?

A退院日より日常の動きに制限はありません。階段の昇降や散歩等も可能です。気分不快や創部の痛みが生じたときは休憩を取るようにしてください。


受診の流れ

月曜日から土曜日に腹壁瘢痕ヘルニア外来を開設しています。外来にて診察後に手術の必要性がある場合は、手術前検査を行います。
受診の予約・お問い合わせは 
03-3235-9939 へお願いします。

1初診のご予約

初診のご予約はお電話(03-3235-9939)で承ります(Eメールでのご予約はできません)。問診票記入、診察後に腹部超音波検査・CT検査を行います。手術を予約する方は、血液検査、心電図検査、レントゲン検査を行います。すべての検査が終了した後、担当医が治療方針の説明を行います。
腹壁瘢痕ヘルニアは過去の手術の詳細が大切です。可能であれば主治医からの紹介状をご持参ください。

2入院・手術

手術当日の午前中に入院していただきます。
手術前処置(臍処置、除毛など)を行い、午後から手術開始となります。(手術時間は約60~120分です)

3退院

手術当日の午前中に入院していただきます。
手術翌日以降の退院となります。

4術後診察

手術後1週間後、2週間後に来院していただき、手術部位のチェックなどを行います。
その後の受診については患者様と相談の上、決めさせていただきます。

お問合せ

分からないこと、相談したいこと、お気軽にお問合せください。

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